写真のレタッチを頼むとき|補正の範囲と費用、やりすぎの線

/ Lapisデザインラボ

レタッチで頼めることと、この記事で分かること

レタッチは、撮った写真をあとから整える作業のことです。暗い写真を明るくする、色味を直す、写り込んだ物を消す、背景を切り抜く、人物の肌や髪を整えるなど、中身は幅広くあります。ホームページや印刷物の写真は、少し整えるだけで見え方が大きく変わります。

この記事では、写真のレタッチを外に頼むときに、どんな作業を頼めるか、費用はどのくらいか、どう指示を出せばよいかを順にまとめます。あわせて、広告で写真を加工しすぎたときに問題になる景品表示法の考え方と、「どこまで補正してよいか」の目安も示します。

撮影そのものの費用はホームページの写真撮影の費用相場|出張・カット数・使える範囲で扱っています。ここでは、撮ったあとの補正に絞ります。

レタッチの作業の種類

作業中身よく使う場面手間の目安
明るさ・色の補正暗さ、色かぶり、白の濁りを整える店内、料理、スタッフの写真軽い
傾き・大きさの調整水平を直す、使う形に切り出す、サイズをそろえるサイトの一覧、SNS の画像軽い
不要な物の消去電線、ゴミ、映り込んだ人や車を消す外観、施工の写真中くらい
切り抜き背景を消して、商品や人物だけを残す商品の一覧、チラシ、カタログ形で大きく変わる
人物の補正肌の明るさ、髪の乱れ、服のしわを整えるスタッフ紹介、採用ページ中くらい〜重い
合成複数の写真を組み合わせる、空を差し替えるメインの大きな写真重い

上に行くほど手間が軽く、料金も抑えやすくなります。切り抜きは、四角い箱のような商品なら簡単ですが、髪の毛、毛皮、透明なガラス、細かい枝などは手間が増えやすい作業です。

費用の目安

クラウドソーシングTimes は、撮影したカメラマンに色の補正やレタッチ(不要な物の消去など)を頼むと、1枚あたり数百円〜数千円の追加料金になるのが一般的としています。商品の撮影では「1カットいくら」の料金の立て方がよく用いられ、枚数に比例してレタッチの手間も増えるため、必要な枚数を先に伝えることが大事だとも書いています。

切り抜き、人物の補正、合成は、写真の中身で手間が大きく変わるため、一律の金額を示しにくい作業です。この記事でも、切り抜きや人物の補正だけの相場の金額は、確かめられる出典が見つからなかったため載せていません。頼む写真を見せて、1枚ごとか、まとめての金額で見積もってもらうのが確実です。

費用を抑える方法としては、次のようなものがあります。

  • 明るさや傾きの補正は社内で行い、切り抜きや合成だけを頼む
  • 撮影のときに背景を整え、消す物を減らしておく
  • 同じ条件で撮った写真をまとめて頼み、補正の基準をそろえてもらう

同じ記事では、社内に画像編集ソフトを扱える人がいれば、補正をしていない写真で受け取り、補正を自社で行うことで費用を抑えられるとも紹介しています。

頼むときの手順

  1. 使う場所と大きさを決める: ホームページの大きな写真か、チラシの小さな写真かで、必要な仕上がりが変わります
  2. 写真を選んで番号を付ける: 頼む写真を絞り、「〇〇_01」のように番号を付けます
  3. 写真ごとに指示を書く: 「全体を明るく」「右上の電線を消す」「背景を白に」のように、場所と中身を具体的に書きます。写真に丸を付けて示すと伝わりやすくなります
  4. 仕上がりの見本を添える: 目指す明るさや色味の写真があれば添えます。社内のほかの写真とそろえたいなら、それも見せます
  5. 受け取る形式を決める: 形式(JPEG・PNG など)、大きさ、背景を透明にするか白にするか、印刷用か画面用かを伝えます
  6. 修正の回数と期限を確かめる: 何回まで直してもらえるか、いつ受け取れるかを見積もりの段階で確かめます
  7. 元の写真を残しておく: 加工する前の写真は、別に保存しておきます

カメラマンが撮った写真を、別の人に加工してもらうこともあります。撮影のときの取り決めで加工してよいかを確かめておくと安心です。素材サイトの写真は、規約で加工の範囲が決まっていることがあります。詳しくは素材写真の使い方と注意点|ありがちな失敗とライセンスを参考にしてください。

どこまで補正してよいか

明るさや色、傾き、写り込んだ不要な物を整えるのは、写真のふつうの仕上げです。気をつけたいのは、商品やサービスの中身を、実際よりよく見せる加工です。

景品表示法は、商品やサービスの品質などを、実際のものよりも著しく優良であると示す表示を「優良誤認表示」として禁じています。消費者庁は、わざと偽った場合だけでなく、誤って表示してしまった場合でも規制の対象になるとしています。また、広告から受ける印象は、文章だけでなく写真やイメージ図なども含めた表示全体で判断されるという考え方を示しています。消費者庁の表示に関するQ&Aでも、果汁を使っていない飲み物の容器に果物の写真を載せるなら、写真と同じ視野に「無果汁」と見やすく書く必要があるとしており、写真が商品の中身の印象を左右することが分かります。

補正の例目安
暗い店内を、見た目に近い明るさに直すふつうの仕上げ
外観の写真から電線や通行人を消すふつうの仕上げ
スタッフの写真の肌の明るさや髪の乱れを整えるふつうの仕上げ(本人に確かめると安心)
料理の量を増やして見せる、具を足す実物と違って見えるため避ける
部屋を実際より広く見せる、窓の外の景色を差し替える実物と違って見えるため避ける
施工の仕上がりの傷や汚れを消して事例として載せる実物と違って見えるため避ける
使用前・使用後の写真で、効果を大きく見せる加工効果を誤認させるおそれがあり避ける

「写真はイメージです」と小さく添えれば足りる、とは限りません。消費者庁は、こうした注意書き(打消し表示)は例外的に使うもので、強調した内容と矛盾する場合や、文字が小さい・離れていて気付かれない場合は、問題になるおそれがあるとしています。

人物の写真は、本人がどう写るかを気にすることも多いものです。スタッフの写真を補正するときは、仕上がりを本人に見てもらうと行き違いが防げます。写真を載せるときの同意の取り方はスタッフやお客様の写真をサイトに載せるとき|肖像権と同意の取り方にまとめています。

依頼前のチェックリスト

  • 写真ごとに、使う場所と大きさが決まっている
  • 写真に番号を付け、直す場所と中身を書いた
  • 目指す明るさや色味の見本を用意した
  • 受け取る形式、大きさ、背景の扱いを決めた
  • 修正の回数と受け取りの期限を確かめた
  • 撮影や素材の取り決めで、加工してよいことを確かめた
  • 料理の量、部屋の広さ、仕上がり、効果など、判断に使う部分を変えていない
  • 人物の補正は、本人に仕上がりを見てもらう
  • 加工する前の写真を別に保存した

まとめ

  • レタッチは、補正・消去・切り抜き・人物の補正・合成で手間と料金が大きく変わる
  • 色の補正や不要な物の消去は、公表されている目安で1枚あたり数百円〜数千円の追加
  • 切り抜きや合成は、写真を見せて見積もりをもらう。指示は場所と中身を具体的に
  • 商品やサービスの中身を実際よりよく見せる加工は、優良誤認表示にあたるおそれがある

Lapisデザインラボの制作では、写真はお客様にご用意いただく形を基本にしています。制作の内容と取引の条件はサービスと料金にまとめています。

よくある質問

写真のレタッチの料金は、どのくらいですか。

公表されている目安では、撮影したカメラマンに色の補正や不要な物の消去を頼むと、1枚あたり数百円〜数千円の追加になるのが一般的とされています。切り抜きや人物の補正、合成は、写真の中身で手間が大きく変わるため、写真を見せて1枚ごとに見積もってもらうのが確実です。

写真の補正は、どこまでしてよいのですか。

明るさや色、傾き、写り込んだ不要な物を整えるのは、ふつうの仕上げの範囲です。一方、広告で商品やサービスの中身を実際よりよく見せる加工は、景品表示法の優良誤認表示にあたるおそれがあります。料理の量や部屋の広さ、施工の仕上がり、使用前と使用後の違いなど、お客様が判断に使う部分は実物と変えないのが目安です。

切り抜きだけを頼むことはできますか。

できます。背景を消して商品や人物だけを残す作業で、背景が透明な画像や白い背景の画像として受け取ります。髪の毛や透明な物、細かい形の物は手間が増えやすいので、どの写真をどの形式で受け取りたいかを伝えて見積もりをもらいます。

参考にした資料

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